ハルの庭

三歳の娘との、毎日の暮らしを綴っています。

毎日の奇跡

 

夜、眠る前、

隣で寝ているハルの手を、

時々こっそりと握ることがあります。

 

もう随分成長したと思っていたけれど、

その手はやっぱりちいさくて、柔らかくて、とても温かい。

 

二年と一寸前には、確かにこの子は私のお腹の中にいて、

もうほんの少し遡ると、この世界に存在すらしていなかっただなんて、

本当に不思議です。

 

目の前で寝息をたてているハルは、

そうか、私の子どもなのか、

私はお母さんになったのか、

などと、今更に驚いてしまいます。

 

齢九十を過ぎた父方の祖父に妊娠を伝えた時、

祖父が「なんだかもう、胸がいっぱいになっちゃうねえ。

奇跡、としか言い様がないんだなあ。」と、

その思いを話してくれたように、

今、ハルが此所にこうして生きているということは、まさに奇跡であって、

そう考えれば私は毎日奇跡を目の当たりにしているのだという 

心持ちにもなります。

 

起きている時には、やれご飯は要らないからトマトだけ食べたい、

散歩は行きたいけど着替えは嫌だ、抱っこで天井を触らせてほしい、等々、

とにかく大変な騒ぎのハル。ですが、いざ寝ている顔を見ると、

昼間の疲れもいつの間にか、ゆるゆるとどこか遠く溶け流れていくようです。

 

“明日も、沢山笑おう。”

 

起こしてしまわないように、そっとハルの手を握りしめて、

名残惜しいような気持ちで幾度もその寝顔を覗き込みながら、

ようやく眠りにつく夜です。

 

 

 

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