ハルの庭

三歳の娘との、毎日の暮らしを綴っています。

春の七草・・・雑炊?

 

去る一月七日、我が家では朝食に春の七草をいただきました。

もちろん自分で摘むというのでなく、買い求めたものではありますが、

それでも色々と事の所以を伺ったからでしょうか、

なにやら特別の思いがしました。

 

さて、そんなこんなで料理の支度をしていたのですが、

途中でふと気がつきました。

 

あれ。私が作ろうとしているもの、

これはお粥じゃなくて、雑炊だ…。

 

そうなのです、これも疲れのためでしょうか、

いえ、そうであってほしいところですが、

散々七草粥のお話をしていたのに、

それが頭の中では勝手に雑炊へと変換されていたのです。

 

あらまー…。

完全なる思い違いのもと、昨晩のうちに済ませていた

下ごしらえのお出汁を見つめながら、心の中で、

うっかりをしでかしたちびまる子ちゃんのように一瞬呆然となりました。

 

さて、どうしたものかと一応考えてはみるものの、

今からお粥を作っているようではお腹を空かせたハルが

おせんべいを食べたい等々、言い出しかねません。

仕方なしに、そのまま雑炊を作ることにしました。

 

昆布と椎茸、煮干しを浸けておいたお出汁を火にかけ、

醤油少々とお塩、きび砂糖を少し、

それから、すり下ろしたショウガで味を整えます。

具材は刻んだ七草としらす。

ハルにも食べやすいよう、最後に溶き卵を加えました。

 

ちなみに私は、お料理の甘みは大概きび砂糖でつけます。

みりんよりも、柔らかと言うのか、

素朴な甘さになるようで、気に入っています。

 

適当な私の適当料理ですが、まあ、なかなか、

やはりどうしても若干、野性的な風味のする草たちですが、

なんとか程よい味付けでまとめあげることができました。

 

歳を重ねるにつれ、からだに良いものを美味しいと感じるようになる

傾向にあるのですが、それでもそうそう新鮮な食材が手に入るわけではありませんし、

素材そのものの味を愉しむというのは子どもには伝わりにくい気がします。

もとより私の味付けはわりに薄いため、少し意識的に苦みを和らげるようにしてみました。

 

さあ食べよう、と夫とハルを呼び集めての朝ごはん。

七草雑炊は我ながらそれなりに美味しかったのですが、

ハルはひと口きり食べませんでした。

せっかく作ったのにと言いたいところではあるものの、

少食のハルですからこんなことは私も慣れたものです。

 

子どものためと思ってすること自体すべてが自己満足よ、と

だいぶ大げさに自分を納得させ、早々にお仕舞いとなったのでした。

 

 

冬場でも沢山の野菜を店先に見かける昨今ですが、

七草の青々とした葉の色には、確かに春の気配が感じられました。

長い冬の最中、ふと漏れさす陽に芯から暖かな心持ちになるように、

昔の人々もこの草草の葉色を手に、新しい芽吹きの季節を

それは喜ばしく思ったのかも知れないなどと想像を巡らせるのも、

なかなか愉しいものでした。

 

 

 

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