ハルの庭

三歳の娘との、毎日の暮らしを綴っています。

ハルの帽子さん

 

近頃、外を出歩くときは、私とハルと

二人して必ず帽子をかぶるようにしています。

 

初めはとてもいやがっていたハル、

帽子をそっと頭に乗せると、すぐに放り投げてしまう程でした。

気持ちは、よくわかります。

私も子どもの頃は、すでにこれだけ暑いうえに帽子までかぶって、

一体どういうわけかとまるで納得ができませんでした。

頭にじっとりと汗をかくことはとても不快で、それに耐えるくらいならば

陽射しのもとに頭をさらす方が幾分ましだと感じられたものです

 

それでも今時分、外は大変な暑さですから、

ほんの少しきり移動するだけでも熱射病が心配です。

ことにまだ髪の毛のやや薄いハルは、ほとんど直接肌に

陽が当たっているのではと思うようです。

 

そこで、どうにか帽子をかぶってもらおうと、

帽子をかぶるわけを色々に説明しました。

 

「あのねえ、ハル。外はお日様がいて暑いのよ。

  お日様あっちっち、あっちっち。

  お日様は別にいけないことはないの、

  おかげできれいきれいしたお洋服も乾くからね。

  それでも、ハルやお母さんたちには暑すぎるのよ、

  このまま出掛けたら大変。

  だからね、帽子をかぶろう。帽子さんはすごいよ、あっちっちでも大丈夫。

  ね、ハルがあっちっちってならないように、帽子さんかぶって行こう。」

  

すると、私を真似て、自分の手を頭にあてるハル。

「ちっち!」

「そう、あっちっち。」

そして、自ら帽子をかぶってくれたのです。

 

それからというもの、散歩へ行くとなれば、

ハルはきまって帽子をかぶってくれるようになりました。

自分の帽子さん、というのが嬉しくもある様子です。

 

さらに驚いたことに、ここ数日、曇りの日や室内など、

お日様のいないところでは帽子をとりたいと言ようになったのです。

これは、帽子をかぶることのわけを私が伝えた通りに認識している

ということでもあり、またできることならば、かぶらずにいたいけれど、

目的のために仕方なくかぶっている、ということにもなるでしょうか。

相手の言葉を受け止め、理由に納得し、目的を理解して自分を律する。

これは、なかなかにすごいことという気がします。

成長が喜ばしいばかりでなく、そこに信頼の誠実な在り様を見る思いです。

 

 

そんなハルですが、時々お互いの帽子を交換しようと言うこともあります。

私の帽子をかぶりたがり、私には自分の帽子をすすめるのです。

そこには、はたしてどんなわけがあるのでしょうか・・・。

微笑ましく想像などして遊ぶ、夏のお出掛けです。

 

 

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