ハルの庭

三歳の娘との、毎日の暮らしを綴っています。

ハルの寝顔を見つめていると

 

ハルは早起きのため、朝は大概、

ハルの起きたのに気がついて私も目が覚めます。

不思議なもので、ハルの一寸した声や動く気配のあるだけで、

どれだけ寝不足でもすっと起きることができるのです。

 

産前は、夜間授乳などそもそも赤ちゃんの泣いていることに

ちゃんと気がつけるかしらと心配でした。

ですが、そんな私でも起きられるのですから、

これもなにか特別の仕組みが備わっているためかと思うと、

生き物のからだというのはよほどよくできているのだと感心します。

あるいは、ハルが私を呼ぶ声に応えることは、

もうずっと先からの約束事のようでもあり、

その繋がりが一層尊いものにも思われるのです。

 

毎朝、そうして寝ぼけたハルに

添い寝で授乳をしたのちに活動を開始するのですが、

まれに私の方が早くに目を覚ますこともあります。

意識して先に起きようと試みたり、

ハルの前日からの睡眠時間が足りていなかったりした場合などです。

 

そんなときは、しんと静まり返った家のなか、

変にそわそわと浮き足立つような心持ちになります。

ハルが生まれてからというもの、

ひとりで過ごすことに慣れていないためでしょうか、

少しの後ろめたさも感じながら束の間の時間を満喫しています。

顔を洗い、お茶を淹れ、音楽を聴いたり、

読みかけの本を手にとったりなどして、

できるだけゆったりと過ごすようにします。

それから朝ごはんの支度を済ませ、ようやくハルを起こすのです。

 

ところが、いざハルのもとへ行くと、声をかけそびれたまま、

つい時間が経つのを忘れてしまうことがあります。

 

 

 

 

本当にまぁ、一体なんておもしろい生き物だろう。

ちいさな目、ちいさな鼻、ちいさな口。

やわらかな髪、細やかに生え揃ったまつ毛、

息をする度かすかに上下する胸や、ふくふくとした手足…。

 

 

 

ハルの寝顔を見つめていると、

今さらながらに自分が母になったことや、

あぁ確かにハルは生きているのだということを実感します。

 

お腹のなかにいるハルをエコー写真で見たとき、

はじめは丸まった桜えびのような影がちょこんといるきりで、

ちっとも実感がわきませんでした。

それを思えば、いつの間にこんなに大きくなったのでしょう。

あの、わずか数センチの命が、すくすく成長して目の前で寝息をたてているのです。

むしろそうなると、この子が私のお腹にいたということの方が信じられないようです。

もしかすると、あれは夢だったのじゃないかしら、そんな気にもなります。

 

 

ぼんやりそんなことを思いながらハルの頬や頭を撫ぜていると、

そのうちに、むにゃむにゃと何事か言いながら、ハルがうっすらと瞼を開けます。

「ハル、おはよう。」

 

あぁ本当に、なんて…。

 

 

寝ても覚めても、いとしいハルです。

 

 

 

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