同じ日はないということ
今朝、雨戸を開けると、流れ込んできた大気のなかに、
かすかに秋の匂いが混じっているのを感じました。
夜のうちに激しく雨を降らせた台風で、
辺りは隅々まで洗われ、空までが幾分高く澄み渡るようです。
強い風に押し付けられて地面に横倒しになった夏草、
その上に影をかける柿の木の、いつの間に大きくなった青い実。
こうして季節は移ろっていくのだということに、はたと気づかされました。
毎日こう暑くてはしんどいばかりで、
早く涼しくなってほしいとつい思ってしまうのですが、
ひとたび自然の在り様に心を転じれば、その機微に、
一日たりとも同じということはないのだと思い知らされるようです。
自由に出歩くこともままならない難儀な猛暑だけれど、
今のハルとの出来事をひとつひとつ、大切にしていこう…。
などと思い耽っていると、あっという間に陽が射して真夏の陽気に戻ったのでした。